**4月**

pot belly 5月


風に流されて風に流されて
連休も終わりいよいよ腰が落ち着かない日々が始まりそうだ。


5/1
いよいよ農家の田植えが始まった、農機具を軽快に扱うのはいずれも年配の高齢者ばかり
孫を傍に置き珍しく食事をする農家を見かけた。それにしても若い農家は見かけない。

この連休は4日まで仕事、ラジオの交通情報で何となく連休気分を味わう、いつでも出かけられるようにと用意した遊びの道具、なんだか出ずまいで終わりそうだ。
早朝職場近くに架かる古利根川の上流には日光男体山が今は霞んで見受けられる。
まるでお山が早くお出でおいでと招いているかのようで信号待ちのわずかな時間が癪に障る、何はともあれ仕事、仕事頑張ろう。

5/2
駐車場の大家さんから初ものの筍を頂く、孟宗竹の白い筍、掘り上げて真っすぐ来たとの事でいかにも美味しそうだ。
ところが頂く時には続くもので昼過ぎかみさんの実家からやはり筍が届き冷蔵庫の中は困った事に筍に占領されいっぱい。
連休中でもなければわずかなお客さんでも来るのだが今日はその客の気配が無い、暫らくの間は筍ずくしか。

5/4
早朝からの仕事、クリニックの朝食用パンの焼き上げと配達、
この連休中に産まれる乳児の人数はおおよそ65人、気のせいか昨年はもう少し多かったようだが。
東北道は佐野料金所辺りまで渋滞、足利の藤を見物に行く車列なのか出口手前2キロ付近からの大渋滞。
出がけにかみさんと口喧嘩、何の事は無い先日貰った筍が原因なのだが結局山小屋まで口もきかずいらいらするはでこの日は最悪 、着く早々かみさんを山菜取りに追いやり昼日中からようやく咲いた白八潮を眺め独り酒盛りアーつまらないの独り言。

2時間ほど過ぎてかみさんが帰宅、ミカンの首には手に持てないタラの芽やら山椒の芽がぶら下がり何とも無残な犬の姿を晒していた。
かみさんの手にはウルイ(ギボウシ)夏には可憐な紫の花を咲かせ何とも美しいのだが春のこの時季は我が家の胃の中に納まるのが定番、 軽く茹でて酢味噌和えかマヨネーズで和える、新潟の8号線のドライブインで昔さば定職の付け合せに供されたのがそのウルイ、 本当に美味しくてお変わりを頼み青菜の名を訪ねたらギボウシとの事、ほんとに驚いた。

車の中には時間を見て或いは出かけられるかと思い釣竿と用具を調えたベストを積み込み準備。 私の山小屋近くを流れるのは田川の上流部、里川のヤマメのみの小さな小川のような流れ、時にはヤマメのヒカリガ上がる、細かな鱗がすぐにもはがれ取り扱いには要注意だけれど 平たく流線型の整った体形は本当にきれいだ、ほんの少し30分も走れば大谷川に着く、あまり好きな釣り場では無いけれど正面に男体山を抱きロッドを振るのはいい気分だ。 それにしても今年も地蔵峠(地蔵トンネル)を越え足尾に入るのは難しい、2月下旬年券を購入して以来利用するのは何時の事か。

5/5
午前3時半近所の鶏の一鳴きで目が覚める、昨夜は飲み過ぎた、かみさんとの口喧嘩が尾を引き後味の悪い酒だった。
4時半ミカンを引き連れ山の中を走り回り偶然にもお茶の群生を発見、双葉には早い短い芽が伸び始めていた、今日はこのお茶の芽を摘もう。 午前中何とも煩雑に庭の手入れ、伸びすぎた椿の枝を刈り込みつつじの植え替えをし溝の掃除、決まった巣を持つといろいろと大変だ。 午後には朝方見つけたお茶を摘みに出かける、摘み始めて納得こんな芽だけのお茶を100グラム摘むのは気が遠くなるような作業だって事を、、、。
とりあえず目に付く山菜を摘みながら又お茶を摘みその繰り返し、ヤブレ傘はもう開き過ぎシドケ(モミジガサ)はすでに大部分が採取されほんの少し取れただけで残念、それではとコゴミを(草ソテツ)を探すがもうすでに時季遅しで いやはやこれも残念。
それではと余り知られて居ないアケビの蔓を探し袋に放り込む、アケビはさすが採る人も居ないらしく大収穫ヽ(^o^)丿三唱。

(アケビの芽の料理)
 アケビの芽を5センチくらいに切りベーコンと炒める味付けは好みで、ほろ苦くてお勧め品
 アケビの巣篭もり、茹でたアケビの芽に卵黄を添えただけ、味付けは醤油のみ、これも又ほろ苦い。
この夜我が家の食卓はまるでウサギか山羊の様、生の独活を皮をむき味噌に付けてバリバリ、タラの芽のマヨウネーズ和えをぼりぼり、 アケビの芽をモソモソ、ビールをグビグビ飲み干しア〜アこれでは山の中のキャンプとなんら変わらない。  

5/8
昨日、明日は山に遊びに行くと急に宣言。
配達を終えて急ぎ帰宅、昨年買ったモンキーを車に積み込みいつでも行けるようにと準備して有る釣り道具を押し込み 帰宅後30分で出発。
まるで遠足前の小学生のような気分、松木沢に入ろうかそれともいつもの場所にするか迷った挙句今回は松木沢直行と決めた。

朝起きはなんら苦にもならず近所の鶏の一番鳴きも今日は気にならない、早朝3時半、日光周りで足尾の銅公園駐車場までは約1時間 、途中のコンビニで買い物を済ませ日光市内の真新しい神橋を眺め東照宮駐車場をやり過ごし急ぎ足尾へ向かう。 不思議なもので前を行く車が皆銅公園を目指しているかのように感じてしまう。
日足トンネル下を流れる渓を目指す釣り人が数名居た、あんな薮沢の様でも、、なんて妙に関心を抱いた。
トンネルを出ると道沿いの神子内川上流部はすでに釣堀状態、神子内川は渡良瀬川の上流、川沿いは大幅な河川改修を終えて今は殆ど公園状態 、夏の午前中などは川原のあちこちで焼肉や何やらの煙が上がりひどいものだ。

4時半過ぎ銅公園に到着、準備中の釣り師に状況を訊くと既に数名が阿蘇沢方面に向かったとの事で残念がっていた。
急ぎ大ナギ沢出合を目指しバイクを転がす、先行者が居ないことを願っては居たが2人の釣り師に出会ってしまい入渓先を訪ねるとs沢 に入渓するとの事、向こうは歩き、手前はバイク、気が引けてお気を付けてと言ってしまった。
10時過ぎまで最終堰堤上流から本流を釣り上がる、天気は良いのだがさすが流れは冷たく上がってくる岩魚は小物だけで気がめいる。 毛鉤ははっきりと追ってはいるのだけどいまいち食い気が無い、なんでだろう今朝の冷え込みが原因だろうか。
庚申川の寝ぼ助岩魚と同じでこの川の岩魚もそうなのか、
とりあえず陽だまりになりそうな弛みを狙っては毛鉤を打ち込みこまかいながらも今年初の岩魚の引きを楽しむ。

11時過ぎk沢まで引き返し滝を見上げながらプールを狙う、
水面に大きな穴が開いたと思ったらなんと合わせ切れ 、あれはいったい岩魚か滝太郎かクソー悔しい〜。
s沢に入ろうと両岸の岸壁に圧倒されながら滝下の釜右側の岩に取り付いて居たら2人の釣り師に声をかけられる。
仕方なく同行したけれど一人がナメ滝の途中で滑り落下、怪我もせず良かった。2人と分かれナメ滝が終わったと思い安心したがすぐに続く上部にトラロープの架かる滝下の釜を渡れず大弱りした。 エイママヨとばかり右側の岩に取り付くと案外浅くて一安心、どうも水の泡で深いものと錯覚していたらしい。
登りきったのは良いのだけれどなんとツルツルのホールドも無い大きな石の庇が待っていて トラロープを庇の下の岩に挟まったロープにしがみ付きながら足先で引っ張り何とか上部によじ登る、失敗したらさっきの釣り人と同じで釜に落下なんて事にもなりかねず肝を冷やした。
その後は開けた渓相で何とも釣り人の足跡の多い事かと驚く、上流を見上げて左岸方向のガレ場にk沢に上る取り付き点が無いかと目を凝らすがのぞいて居たのは手前だけでは無く上からは鹿も見下ろしていた。
ガレ場にk沢への痕跡を見つけs沢上流を目指すと二俣手前で今朝方の釣り師と遇いびっくり、なんとのんびりした連中だろうか。 結局s沢の岩魚は次回と諦め松木沢まで引き返しそのまま帰路に着く。

帰路時間も早いので少し寄り道とばかりn沢に寄る、n沢は出合から暫らく行くとなんと立派な石作りの大堰堤が有り少し異様な雰囲気を感じた。
下流は貧相な流れながらもメダカの学校ヨロシクヤマメの稚魚が群れる賑やかさだった。
小さいながらも毛鉤には盛んにアタック、一番楽しかった。
3時過ぎ林道に上がり暫らく歩くと突然の腹に響く様なズドオ〜ンと言うこもった様な大きな音が二度ほど響き小さいながらも落石も有り驚いた、 今日は日曜日なのに発破を掛けるような工事でもして居るものと思い急ぎバイクに戻る。
あの音は翌日の新聞で判明、足尾を震源とする地震が有り足尾は震度4強の揺れだったそうだ。

5/18
早朝の仕事、午後2時までの納品を各種終えて急ぎ足尾の銅親水公園に向かう、愛車にはバイクを積んで明日の遊びの道具も満載。
もちろん今夜の一人宴会用の肴もかみさんに取り揃えてもらった。
久々に明るい時間帯に50号線を走る、桐生広沢町から足尾方面に向かう、意外と空いていて120号線は夕方足尾方面に向かうのは平日のせいかのんびりしたものだ。

19時公園に到着、気温16度公園の駐車場には一台の車も居ず今夜は堰堤から落ちる水の音を肴に独り宴会だ。
月も星も輝きおまけに香りの強いグミの花も満開、バイクを下ろし荷室を今夜の寝室に改め早速ビールで乾杯、ともあれ今日一日に感謝。

5/19
午前3時半いつもと変わり無く目が覚める、変わった事と言えばここは公園堰堤の落ち込みの傍、珍しく夜中に車の往来も無く静かだった事。
未明の中車の中をかたずけて居ると東の稜線から徐々に白んでくるのが分かる、今日は良い天気が期待出来そうだ。
昨夜は本当に静か、久々に夜露を感じながら一人酒、誰もおらず心の中で思わん事ばかり、かつて読んだ単独行のように。 孤独に己を落とし込み孤沢を遡行するは何の為。

オオナギ沢の出会いにバイクを止めガレた林道を進む、出会うのは鹿の群れ、乾いた道に野性の結界を張り巡らしたように侵入者を拒んでいるかのようだ。
5番堰堤の近くでのアクシデント、長年履いていたフィッシングブーツの痛みが激しく今日は倅の靴を変わりにと履いたのだがなんと5番堰堤の当りで靴底のフェイルとが剥がれてしまった。
嫌な予感、珍しく2日ほど前倅の夢を見たのはこの靴の異常を知らせる為の注意喚起だったのか、最終堰堤の辺りでとうとう両方の靴底がめくれてしまい 最悪な状態、ここまで来て、目的の2つの沢は目の前なのに。
諦めきれず剥がれてしまったフェイルトをわらじの様に作り変え靴底に固定、これで何とかなる、k沢は諦め何とかs沢には入り込もう、何とも悔しいが残念。
s沢の狙ったポイントには少し錆の残る岩魚が面白い様にフライに突進、掛けてはリリース、リリースの繰り返し残念ながらキープサイズは出なかった。 2又から右又滝を見上げてその場でコーヒーと遅い朝食。

s沢を冷や汗ながらも無事降り本流を少しの間遡行、 水面が漣たち風の止み間を縫っての毛鉤打ちは時に予想もしない出会いが待って居る。 足元を何か動く様な気配、振り向くと冷や汗、細いながらも立派なシマヘビが砂場に横たわり何するものと私の方を見つめていた。

5/28
土曜日、今日は特別工場の中は暑い。
今月連休以降の客足はさっぱり、昨日来た粉屋の営業がぼやくこと仕切り、ラーメン屋、蕎麦屋さん、レストラン、勿論パン屋さんも然りひまでどうしようもない。
出る言葉はまるで合言葉の様に同じだそうだ。
そう言えば今日はレストランからのバゲットの注文が来ていない、忘れて居るのだろうか?。

クリニックの注文個数が今週は先週に比べ一割ほど多い、5月後半にお産が重なる訳でも無しと思い
去年の5月はどうだったかとかみさんに問い質した。

クリニック行きのパンに今日から雑穀パンが加わる、最近はあまりシンプルなパンは出ない傾向だったのだけど。
長期入院の患者さんでも無い限り毎日同じパンが供されるわけでも無し、結局好みを決めるのはコックさんでも無く働いている職員の意向に叶うもの そんな気がしてくる。どこの職場でもお局さんはほんとに怖い存在だ。

5/29 庚申川釣行
昨夜夜中10時過ぎに銀山平に駐車、車のライトに驚いた鹿達が群れを成し川原に降りて行くのを待って外に出て見た。
急ぎバイクを下ろし今夜の宿の用意、ビールを持参したけれど肴を忘れた、11時には就寝。
早朝4時過ぎに林道をバイクで進む、途中1台の軽ワゴン車の傍で3人の釣り人が仕度中でバイクの音に驚いたかのように振り向いていた、こんな狭い沢に3人一緒なんて考えられないけれど。

林道の片側には山つつじの花柄が降り積もり上流へ上流へと誘われているかのようで何ともきれいだ。
持参した毛鉤はすべて視認性重視、針の番数は16番、胴体はピーコック、1日の釣りに毛鉤10本これで何とかなるだろう。 庚申七滝に架かる橋を渡り旧歩道と分かれて庚申川中流部に架かる通称斜めの滝を目指し所々拾い釣りをしながらのんびりと進む。新調したウエディングシューズの履き心地は最高だ、
少々高価だったけれど長年愛用する事を思うと信頼の措けるメーカーに限る。

庚申川の岩魚は総じて朝寝坊、午前10時も回らないと毛鉤を追わない、私の毛鉤には20年も前からそうだ、本当にここの岩魚はネボスケ岩魚。 水面に顔を近づけて息を吐くと白い吐息がたち水温の低さが分かる。
枯れ沢には今時珍しく雪が残っていた。
それにしても川原のそちこちに鹿の骸が今冬の雪の多さを語っている様で余りにも無残だ。時折反応する水面の毛鉤を追いながら山肌を眺めると新緑の合間に花々が咲き乱れ見とれてしまう。
しっかり冷え込んでしまった体を温めたくて以前有った赤岩の滝付近で焚き火をする、この辺りの渓相はすっかりと変わっていて以前良く釣れていた瀬も無く今は大岩に覆われ寂しい限り。
10時半ごろ湯を沸かしコーヒーを入れお握りをパクつ。

釣れて来る岩魚は殆どが25センチ程度、流れの際にそォっと毛鉤を打ち込むと真っ黒な潜水艦のような岩魚が顔を出す、
小ぶりだけれど腹はぷっくり膨れて頼もしい。


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