9/4
昨夜遅くに山小屋到着、とんとご無沙汰の小屋は、
芝は伸び放題、垣根はボサボサ、草は伸び放題、今日一日草取りで終わりそうだ。
6時過ぎ犬のミカンを連れて森の中を散歩、見慣れた景色だけれど森はもう既に秋
薄の穂が朝日にきらめいてとても綺麗だ。
ミカンは去年同様、栗のイガを見つけ転がしては遊び
未だ青い栗のイガもミカンの口に掛かってはひとたまりも無い、数回転がしかじっては次のイガを探し森の中を走り回る。
犬の姿を追いながらも周囲に目を凝らすと古い切り株にはびっしりと楢茸が付いていた。
持参した買い物袋2枚に犬の散歩も忘れて茸を放り込み両手にぶら下げ帰宅。
9/11
昨夜(10日)10時過ぎに公園に駐車。
既に3台が駐車、バイクを下ろし何時ものようにテーブル椅子、そして飲み物を並べくつろぐ。
カンテラの明かりを絞りよそ様に迷惑の掛からぬようにと注意しのんびりと過ごす。
開けて早朝3時半頃ゲートに向う車の明かりで目が覚めるが5時近くまで熟睡。
既にゲート前には3台の駐車、公園駐車場の3台の車には主が居ないらしく昨夜の遠慮はどうやら無駄だったらしい。
今朝の気温は19度、少し蒸すようなそんな感じだがバイクでの走行には少し冷えるかと思い上着を用意する。
大ナギ沢出合いのテン場には一張りのテント、
いつかそのうちこの場所でのんびりと過ごしたいそれが夢、ガレた林道には芒の穂が出揃い川上から吹く風は少しだけ
冷たく感じるのだが其のうち噴出す汗は頬を伝い胸を流れどうしようもない、昨夜のバーボンが吹き出ていくようだ。
今日の入渓地は**沢、5月のアクシデントで延び延びになった沢だ、本流はこのところの雨で膨れ上がり
5号ダムから吹き上げる雫はまるで飛沫のように舞い上がり薄い朝日が当たり日輪が浮かび上がる、これが山頂での
事なら登山者揃って手を合わせることだろうに。
**沢を目指してひたすら瘠せ尾根を進む、振り返ると大倉山、オロ山と眼前に広がり単純に尾根歩きだけでも満足そんな
気分にもさせてくれる、山を見つめ弁当にしたいところだが西の空模様が危ない。
瘠せ尾根を進み眼前の**沢に下り立ちようやく一息を入れる。本流とは違い静かな幽谷に満足
野生の領域に下り立った私に向けて鹿が警戒の鳴き声を交わし一時賑やかだった。
本流の岩魚とは違いおっとりした顔つきの岩魚が次々と毛鉤に向ってくる、この事を見越して今日の毛鉤は全てバーブレス
傷つけず優しくリリースするのにはバーブレスがうってつけ。
台風で釣行者の足跡がかき消されたのか沢床には人の足跡も無く全て無垢、左岸には石楠花の大地、リョウブの木々が生い茂り
花の時季ならこの大地で独り過ごしたい、そんな気分にさせてくれる、鹿道を追って下降すると古い酒瓶のかけらが残り文献で垣間見た通りだと納得させる。
この沢の中流部に掛かる大滝の源頭を目指し下降するがもって来た装備では如何とも仕様がなく下流を見て諦める。
昼前俄かに雨に襲われ急ぎ**沢を撤退、隣り合わせの沢は白く濁り滑床を奔り抜く水流は普段の倍以上。
松木本流も白濁し大粒の雨に急ぎ雨宿り、大岩の庇の下で天気の回復を祈りながらおにぎりをパクつく。
1時半頃まで少し小雨になった本流で岩魚を追う、
強い流れの中から小気味良く岩魚が飛び出し今日の土産に4尾だけ頂く事にした。
帰路ガスに覆われたジャンダルムの威容に感激し道すがら富士アザミの姿をカメラに収めやはり道草の多い釣行だった。
9/17 今夜は宵待ち月
夕方の配達も終へ約束の足尾銅公園に急ぐ。
我が家から足尾の公園までは片道108キロ、土曜日の50号線バイパスは混雑を極め桐生まで1時間
その後銅街道に入りまた1時間、足尾まではどうしても2時間は軽くかかる。
渡良瀬川右岸の山脈にかかる月が先行車両の居ない街道を明るく照らし墨絵のような世界に誘ってくれる。
待ち人は来るだろうか、宵の月が前後して足尾の公園もすぐ其処と思われる頃後ろからのパッシング。
T氏とは2年越しのメル友、実際に会うのは今日始めての事、公園までの数分釣りキチ親父の姿を想像し頬が緩む。
月夜の下で早速挨拶を交わし釣りキチ親父2人の宴会が始まる、さすが今夜だけは堰堤を落ちる水音も我々を祝うのか
おとなしく思えるのは気のせいだろうか。
9/18
早朝5時半駐車場には既に数台の車、春からの顔見知りも混じりなかなか面白い。
T氏も福島方面に今年の懸案を抱えての探釣、6時過ぎ私も松木の上流を目指す、既にゲート前には車、車の列。
既に数人の釣り人が入ったのかと思われた本流筋には誰も姿を見せず
何か拍子抜けをしながら芒の穂に埋まった林道を進む。
既に6時も回り鹿たちの鳴き声も止み風も無く妙に静かだ、草笛で何時ものように鹿を呼ぶとたちまち反応を示し嬉しくなってくる。
6号最終堰堤を過ぎ流れを見渡すと平水に戻った松木の澄み切った水流が心地よく広い川原に響き渡っていた。
右岸の大きく崩れたその先に目的の沢が押し出された大岩の陰におとなしく流れていた、真夏のような日光を避けるように
木陰に回り込み毛鉤を打ち返し様子を見るのだが何とも音が無く拍子抜け。
**沢上流に目をやると際立った大岩も無く小さな落ち込みを連続し広い沢幅が上流へと続いていた。
本流に戻りもう既に松木も減流域に近いのか流れもおとなしく左岸からの沢を分ける頃から岩魚が走り出し
打ち込む毛鉤にも盛んに反応する。
それにしてもこの沢に咲く花は少ない、大文字草も紫の美しいトリカブトも無い、咲くのは野菊の様な花ばかり。
両岸は切り立ちまた大きくガレていたりで雨の日は本当に危険な沢なんだろうと一目で判る、先行していた登山者の足跡も
既に左岸の沢に消えこの上流には数日人の入った様子も無い。
右岸から落ちるもう1本の目的の**沢は出会いすぐに小滝を連続し白い大岩が強い日差しに照らされ光っていた、
少し様子を見本流に引き返し強い引きの岩魚と戯れる、緑色をした大淵にしつこく毛鉤を打ち返すも当たりが無くサングラスを通しての
辺りの景色は少し不気味で左岸を急ぎ足で回り込み魚止めかと思われる滝と出会う。
淵の流れ出しにソーと毛鉤を打ち込むと小さな当たり、見る見るロッドは絞り込まれるが淵をかき回す事もなく手元へ、
見事な雄岩魚が大きな尾鰭を打ちつけ足元で暴れるのを見てこの沢の素晴らしさを実感する。
この後滝の上流を覗きたいと思いながらも時計に目をやると既に午後1時半も過ぎ帰りの事を思うと億劫になり
帰路に着く。
2時間を掛けバイクまでたどり付き駐車場に着いたのは午後4時も過ぎていた、
旧知の釣り人が今日の出来事や獲物の自慢を交わし話に花が咲き、今年最後の時間を惜しむかのようだった。
その中に地元の人が今朝阿蘇沢で熊が捕獲されたと注意を呼びかけるものだから子連れの観光客などはそぞろ帰り足を早めるかのように車に乗っていた。