2010/5-16(Sun)快晴pat-1→
文挾の自宅を午前3時に出る、真っ暗な礼幣師街道を独り〆、途中のコンビニにより水や行道食を確保。
日光を通り過ぎるのも1月の大雪の日以来だ。
日足くトンネルを抜けると釣り師の車だろうか数台が道の空きスペースに駐車、今日はおそらく山女魚の放流日なのだろう。
細流の神子内川に釣竿が林立する光景は何とも奇妙なものだが・・・!。
相変わらず対向車も居なく4時半前にはすっかりと明るくなった餅ヶ瀬林道の舗装切れの所に駐車。
釣り師の車だろうか、タイヤ痕が乾いた林道奥に向って伸びていた。
身支度を整え林道を進む、歩き始めてすぐにも後悔した、せめてゲート前まで車を進入させれば良かったと。
10分ほどで林道のゲート前に着いた、山吹の花が今は何よりも綺麗だ。
ウグイスの鳴き声に応えながら緑に覆われた榮松滝を右に見ながら袈裟丸橋を渡る。
山の神の広場前、キャンプをしながら数日釣りをした頃が懐かしい。始めてきた30年ほど前には流れを分断する
高い堰堤もなく山ノ神の下からは直に下長手沢に釣行出来たものだが。
5時06分
8号堰堤(1991完成)を左に眺め、右からの井戸沢を渡ると林道の左前方はいきなりの懸崖になり景色は最高。
懸崖の左前方には小丸山がそして斜め左には二子山が靄の中に浮かんでいた。
雨量観測の施設を右に眺め進むと上小倉沢の橋を渡る、釣り師の軽トラックが一台駐車。
上小倉沢右岸沿いの踏み跡を餅ヶ瀬本流に下る、これより餅ヶ瀬本流は押溜沢と金山沢(砥草沢)と二分しいずれも格好の岩魚釣り場・・・だったけれど!。
5時31分、中尾根(押溜沢左岸尾根)取り付き。
本流に下り立ち対岸に渉ると立木にはくすんだ赤ペイントのマーキングがして有りコゴミの原っぱを挟んで
左岸尾根の先端部がガレ場を覗かせている。
刈込まれた笹やぶに付いた尾根末端の道を登って行くといよいよ道は急坂、残念な事に今日はピンソールを持ってきては居ない。
滑る急坂の道を笹に捉まりながらどんどん登っていく。
笹道の上りが途切れると、いや、相変わらずの急坂ではあるがガレタ登りに変わり(地形図の1200M辺り)左前方に
今日の最終地点でも有る小丸山(小袈裟丸)が形良い姿を見せ喜ばしてくれた。
この辺りはとにかく尾根の中央部を歩いて居れば迷うことも無く水楢の緩やかな登りを楽しむ。
時折散弾銃の薬莢が赤や緑の筒をのぞかせてはいるが直近の人の歩いた気配は無い、やがて道は急坂に変わり地形図の
1495m地点手前の小さなコルで一休み、この日初めてヤシオつつじの花を見た。
尾根の右側は餅ヶ瀬本流側に切れ込むように落ちていて、正面右前方には奥袈裟丸山だろうか黒いシルエットで覆いかぶさるようだった。
東石楠花のピンクの淡い花色が時折尾根に顔を出しては歓迎してくれる。
少しばかりの休憩を取り急坂に変わった尾根を進んでいくと前方に大きな岩が鎮座していて、それにしてもどうしてこの狭い尾根に
まるで誰かが乗せたかのようでも有り不思議な意匠を覗かせていた。(1495m、烏帽子岩)
その大岩の乗った不思議なピークを左側からやり過ごすとコメツガが混じる急坂に変わり目を上げると地形図上の1611Mのピークが笹やぶの中、見下ろしていた。
この辺りは目印も無くただ尾根筋を追っていくだけの単調さ、ただ覆いかぶさる緑の天幕が無いだけに明るくて気持ちよい。
尾根はまたなだらかな様子に打って変わり北面は奥袈裟丸の山容が美しく、また南西面には
白樺の美林が広がっていて・・・暫しその場所に佇み見入ってしまった。尤もその前に思わず踏みつけそうになったとんでもない落し物が・・・・・・
銀蝿のたかったその何とも形容の仕様が無いその大きな落し物・・・
熊の生フン・・・なにかこう、見てはいけないものを見てしまった様な・・。
余りのりっぱさにカメラを取り出し記念撮影、今日の一番の収穫かも・・!。それにしても熊コウがそこらで見ているのではと思うと何とも穏やかな気がしない。
白樺の白く林立したその天辺は真っ青な群青色で未だ蕾の固いその梢の左上方には小丸山が形良く可愛く見えた。
併しその青い空の下のどこかに・・・・生糞の落とし主が・・・ゲゲェ〜〜〜〜。
7:00
1611mから西方向に尾根を登ったり下ったり、南西には後袈裟丸の北東の懸崖にいく筋も雪を残し
綺麗な山肌を見せていた。
中袈裟の東南斜面を横目に水溜りの有る小尾根を突き登るとコメツガの枝が覆いかぶさり、踏み跡は南西方向に
上って行った。
道は案外と判りやすくもあるが時折テープやらの目印も有り気が休まる。
踏み跡は1610mを過ぎると深い藪に変わり見上げると中袈裟丸の東壁がのしかかる様だ、コメツガの張り出した枝に腰を掛け
そこで暫し休憩。時折激しくさえずる小鳥が目の前で歓迎してはくれるが
目の前のその藪の先は一帯どうなっているのか・・・・・・。
振り返れば庚申山の奥に男体山が異様なほど大きな山容を見せ驚かされる、それにしても無風、快晴・・。
背中の25Lのザックには2Lの水、気温は16度前後でそんなに汗もかかず、勿論尾根に上がってからは快適そのもので
喉も乾かなかったが・・・だけれどエネルギーの補給は欠かせない。
行動食にはSOYJOY、もっちりとして案外と腹持ちがよくてお気に入り・・・・。
水は霧島の天然水1000mlを2本、山歩きにお茶はいけない、喉の渇きがひどすぎる。
行動中は飴を良く舐めるのだが・・・これはま〜しかたない、くせだから・・・!。
休憩を取りすぎると足が辛くなる、案の定藪をこいて中袈裟の南西斜面を木の根やスズ竹につかまりながら登って行くと
足がつってしまった。奥行き70センチほどの草つきのテラスにしゃがみこんで来た方向を眺めると、耳に響くのは自分の鼓動だけ・・。
で、この取り付き点で大失敗。
事前の下調べではこの辺りには古いトラロープが張ってある筈だったが・・・・・
休憩地点からまっすぐに直登したのが大間違い、背丈ほどの笹に惑わされ正面の殆ど垂直の壁に挑んでしまった・・・・。
最初のテラスまでは3mほど、次は2mほどでやっと人一人が立つほどの狭いバンドが平行に伸びていて併し、北面は
懸崖。
南面は高さこそ少ないけれど笹の斜面。
迷わず南の斜面に進むとなんと其処には新しいトラロープがだらりと下がってるではないか・・・・。
ん〜・・すると下のほうにはもう1っポンのロープが有るのかー、ほっとして立ち止まったその瞬間足がつってしまった。
とりあえずロープの先を見上げるとボロボロの岩にスズ竹の急斜面が上に上にと伸びていた、
ここもやはり竹や木の根に捉まりながら人なのか獣なのか、その踏み跡を追うと途中色のあせたリボンがヒラヒラ・・・・・・。
倒れた木の根元から
西北に笹や草で覆われた岩溝をわずかに登る、東の男体山やらその下に広がる尾根筋が俯瞰でき最高だった。
やはり静まり返ったその山中で耳に聞こえるのは己の心臓の鼓動だけ・・・・・ドコッ・・ドコッ・・・・
乾いた苔のテラスで休憩、予備のカメラを取り出しそれで記録しようか迷ったが首に下げて歩くのはな〜・・
やはり重いのだ、キャノンのパワーワーショットSX1ISは。
小型のFINEPIXが一番。
ここでエネルギー補給、鮭おにぎりを
パクついているといきなり、鈴の音と共にドカドカ駆け下る登山者の足音にびっくり。
時間は9時過ぎ。
ルートを地形図で確認、このまま西に進めば登山道と合流だよ、とのんびり構え進んだのがいけなかった。
ここは中袈裟丸東面の懸崖部分、登山道へはまもなく合流のはずが、
すぐにも右の西北方面鞍部に下らなければ奥袈裟丸には行けない。
あ〜〜〜うっかり・・・・。
奥袈裟丸方面への進路を間違えた、北に進むべきが南西方向の中袈裟丸山に、距離はわずかだが・・・・・・・。
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