飯豊登山3日目(7/27)

烏帽子岳からみた大日岳の稜線、小さく御西小屋が見える。
コース予定・・・
カイラギ小屋→烏帽子岳→御西小屋→大日岳→御西小屋→飯豊本山小屋→テン場
午前3時過ぎからヘッデンが騒がしい。
釣られて準備をする。シュラフ、マットをたたみ枕元に積んだ道具類をザックに詰め込み
着替えをして軽く食事を取る。
食事・・・
 フランスパン一切れ。
 雪印、割けるチーズ1本、ボーノチーズ2本。
ザックの重量を〆るもの・・
 ホワイトホース・・500ml 缶ビール1本(350ml)
アクエリアス1000ml
水 2000ml 後は濡れたもの・・・

何とか4時前に小屋を出る、2番目だった。
北側の北ノ股岳はうっすらと山容をのぞかせ東面に残った雪渓が白く光っていた。
小屋の真後ろに振りかぶるように急峻な岩山があるなんて・・
昨日はガスの中想像もつかなかった。天気は上々、3日目にして最高の日。
東から明るくなるにつれ昨日は見えなかった全方向が見渡せ素晴らしい景色。
4:18分
カイラギ岳西面を上がる。 東の空が朝日を浴びてオレンジに輝き、その下には北方の山脈が連なり
雲海に浮かび静かな浮遊の世界だ。
(カイラギ岳、烏帽子岳の頂上から。)
北ノ股岳を見る カイラギ山頂から西大日岳方面 烏帽子岳山頂から日本海側を望む
5:11分、烏帽子岳山頂。
西側、遠く日本海側に連なる山脈の名を知らないのが残念
山々に朝日が当たり谷には靄が湧きたち空の蒼さとその陰影が足を止めさせ、ただ見とれた。
北側にはカイラギ岳
北ノ股岳の主稜が連なり北ノ股岳東山稜の尾根が石コロビ沢深くまで落ち込み
南には御西小屋までの稜線が回廊のように延びまた
大日岳に続く稜線のいたるところに雪渓が・・・・・・
御西小屋が本当にマッチ箱よりも小さく黒く稜線に突き立ちめまいを覚えるほどだった。
(稜線を振りかえると眩しい景色。)
烏帽子岳、カイラギ岳、北ノ股岳から門内岳方面へ クサイグラ尾根 烏帽子岳、カイラギ岳、北ノ股岳
ゆったりとおおらかな起伏。
緑の稜線、稜線東側にはいくつもの雪渓、稜線を外せば急峻な山肌に深く険悪な谷を作り
激流が岩を咬み我ら釣師の喜ぶ大岩魚を育む。
青い空に気を良くし高山の花々を眺め稜線を堪能する。
花は白山コザクラの濃い赤紫、ミヤママツムシソウ、チシマギキョウ、ニッコウキスゲ。
ハクサンイチゲ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマコバイケイソウ。
到る所に咲くクルマユリにヨツバシオガマ。
雪渓との境目に咲くショウジョバカマ、色の薄いサラサドウダン、白花のハクサンシャジン。
(イイデリンドウが咲いていた。)
大日岳 イイデリンドウ c_10.jpg(84985 byte)
(北限のハクサンコザクラが咲、ミヤマコバイケイソウが天を突く。)
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花を数えたらきりが無い、咲く場所とそのバックの景色がたまらない。
何人に追い抜かれても一向に気にしない。
願わくばこの花々の稜線で好きなスコッチでもあおり寝ていたい、そんな気分。
まったく前日の天気など忘れたかのようなそんな気分だった。
御手洗の池、後方に烏帽子岳
7:00、御手洗の池着。
池は青空に映へ蒼く、緩やかな起伏の丘はニッコウキスゲが埋め北側正面には烏帽子岳。
カイラギ岳、北ノ股岳の主稜が仲良く並んでる。
御手洗の池を下ると前日戸惑った長い雪渓が谷底深く残り、又々前日とは違う景色に驚く。
7:30分、天狗の庭。
前日何も見えなかったテングの庭の全容を見る、東側にはなだらかな緑の丘陵が広がり池塘が散在。
こんな処にテントを張り昇る朝日を眺めたら、いいだろうなと思った。
併し現在は立ち入り禁止のようで下り口にはロープを引いて有った。
古いガイド本の写真には、天狗の庭を行くキスリング姿の一行を映した写真が載っているのだが・・
天狗の庭から見る烏帽子岳の圧巻はすごい・・の一言。
何も感じず登りきれたのはおそらく「ガスってたから、何も見えなかったから」。
7:44分、天狗岳1929m
天狗岳を下るといよいよ御西小屋が近くに見え小屋下に広がる雪渓が眩しい。
夏道は雪渓の下、稜線に御西小屋が見える

(雪渓を眺めて歩く稜線、驚くほどの雪田、飯豊は雪がハンパじゃない。)
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8:25分、御西小屋。
ヘリコプターが舞い降り作業中、この日は資材の搬入よりもゴミの撤収らしかった。
年間の利用客にヘリの運行代金、相殺どころか赤字と管理人は言っていたが・・・・・・さもあらん。
小屋の脇にザックを置かしてもらい水だけを背負い大日岳へ向う(2128m、飯豊最高峰)。

9:56分、大日岳。

腰をすえた大日岳
御西小屋から砂礫の道を転げるように降りていくと鞍部になり右側下には文平の池。
池には雪が浮いていた。
文平の池を見下ろすと白い砂礫と緑の草原、ここもテン場には最高のロケーションだろうが
あいにくと飯豊は原則テント泊は禁止。
良平の池 西大日岳 ウサギギク
大日岳を見上げると溜息が出そう、真下から見ると高すぎて上が見えない。
右手の北西方面には今朝歩いてきた主脈の稜線が延々とつづいている。

暑さにめげず崩れそうな道を行くと
ヒメサユリが数株列を作り咲きその淡いピンクの色合いが何とも素敵だった。
それにしても何と女性登山客の多い事か、
黙々と歩く男性とは全く違いいつどんな場所でも・・・ほんとに賑やかこの上ない。
大日岳頂上には新しい標柱を施設していた。
3年待って漸くの作業だそうでこの山岳のいびつな関係を嘆いていたが・・(いろいろ複雑らしい)。
頂上からは西大日岳の先、日本海方面に続く山々、南には飯豊本山。
北には飯豊の主脈が連なりその向こうは朝日連峰、東には吾妻連峰・・云々。
説明を受けるのだが、ただ青空の下での展望は東北の屋根を見た・・そんな感じで終わってしまった。
12:00、御西小屋。
時間も有るのでのんびりと大日岳頂上で過ごす、暑くてたまらないのだが風は心地好く主脈の急峻な
峪筋に残る雪渓は白い流れのようにも感じられ山裾の濃い陰影がひとさら強かった。
大日岳への登山道は賑やかな花の道だ、花好きならきっとこの稜線で満足してしまうに違いない。
大日岳まで3キロ、空荷で1時間ほど。
御西小屋で一休み、煙管愛好者の管理人と並んでの(^。^)y-.。o○(いっぷく)
前日と同じく刻み煙草の話でワイワイ。
珍しい煙管にひかれ話しかけて来る登山者達、ザックの重さからはてはやはりビールの話、
テント泊まりからコースの話、なかでも神戸からの70代の男性の話
集まった皆で大笑い・とにかく気をつけてで男性と別れたが。
大日岳と御西小屋
牧場のような草原の道を行く、天空の花畑。
さながらそんな雰囲気で砂礫の白い道の両脇には花々が咲き誇り、なかでもやはり目を引くのは
ニッコウキスゲの群落、砂礫の片すみに咲くチシマギキョウの群生や花の終わったチングルマ。
好きな花のクルマユリは何処でも見られ、この山旅ではそれが一番嬉しかった。
広大な花畑を過ぎて駒形山への登る。
笹原を過ぎて砂礫に花崗岩の眩しい道を御西小屋に向うも登山者は少なかった。
濡れた靴下でふやけた足裏が一歩一歩ごとに痛い、歩幅を小さく取り確かめるように進む。
駒形山から見る天狗岳の南面に残る大きな雪渓がとても綺麗だった。
南西には牛首山及び櫛ヶ峰だろうか。
いずれにしても昨日今日と歩いて来た峰を見渡す事はとても気分が良い。
13:30分
駒ケ岳通過、風化した柱が一本立つ頂上。
13:55分
当初予定のダイグラ尾根が飯豊山頂から北に落ち込んでいるのが見えた。

ダイグラ尾根の険しい山容に暫し感動。

ダイグラ尾根
14:00飯豊山頂。
山頂神社に5円玉2枚のお賽銭を上げる。15人ほどの男女が(何れも年配者)御西方面へ。
14:05分本山小屋が見える
道は砂礫で歩きやすく両側はハイマツの緑。ついで切合小屋に続く尾根が遠くまで見えた。
14:35分、本山小屋着。
管理人に挨拶、今日はここまでとビール一本購入(1000円)
テン場の良いところは既に先客に取られているだろうから・・どうするんだい・・?
せっかくのテント持参、強い風がちょっと気になるが、管理人の今日はいいよの一声でテン場に下る。
テン場は尾根を挟み東側に、西側は風当たりが強く危険との事だ。
一王子の下、水場の表示があるそのわずか下にテントを張る。
既に宴会中のテント組みも居て賑やかだった。
水場は残る雪渓のせいだろう、冷たくてとても美味かった。
日焼けした顔を水に浸し涼をとるとズキズキと痛むよう、快晴での縦走は思わぬ災難を呼ぶようだ。
(日焼け止めのクリーム及び帽子は必需品、何れも忘れた。)
缶ビールを雪に包みテント脇に、夕日を眺めての一人宴会にビールとスコッチは共に必需品だ。
今回は氷の代わりに雪がある、今日の我が家は・・・・・上等の宿になる。
本山小屋のテント場
テント泊の準備を終え靴を脱ぎ靴下を脱ぐのだが・・
蒸れた足裏は真っ白でまるで脳みそのようにシワクチャ、痛むどうりだと思い暫らく風に当て
日差しで温まった岩に足裏をつけ養生する。
勿論、ひどい悪臭を放つ靴下と靴も風に当て気休めながらも、これでよいと自己満足。
テント泊の人も増へまた小屋泊まりの登山者がどんどん登って行く、16:00前頃。
17:50分、
食事の準備。
風も強くテントの前室でコンロ調理。
夕食・・まるちゃんの塩ラーメン、茸風味のリゾット。
コーヒー、雪印の割けるチーズ一本。
雪割りスコッチ(ホワイトホース)数杯。
本山小屋と夕焼け
19:00
テントの外を見ると夕焼けの空、テン場は尾根の東側なので西の空を見るに本山小屋まで行く。
真っ赤に染まる飯豊の空、本山小屋はまるで炎に包み込まれそう、ものすごい情景。
すべてが稜線にかかる雲までもが茜色に染まり
言葉なしの感動とはこんなものか、小屋から出てくる人の少なさに何と勿体無い事か・・。
小屋の管理人に紅葉の時季と滞在の有無を聞いてテントに帰る。

登山4日目に
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