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平日の庚申川釣行は何年ぶりの快挙。昨夜10時半には庚申川林道のゲート前に駐車
既に1台の先客 ただしこの人は登山客らしい。
愛車の後部ドアを開け独り遠くに聞こえる川のせせらぎにグラスを傾ける。
深夜懐かしくも悲しくも聞こえるトラ鶫のヒューイヒューイの鳴き声で目が覚める、すると1台の車が隣りに滑り込む、この人も登山客らしい。
どうやら今日の沢は貸切の見込み 何となく嬉しい、そんな気持ちでまた一眠りする。
早朝4時、庚申川の林道を登山客の男性と道連れ、この男性庚申山ではなく皇海山を目指すようだ。いくら日が長いとは言え
少し無茶なような気もしないでもない。六厘班峠から上り約3時間の行程は少しきつい様にも思うのだが。

庚申山荘までは
       1の鳥居から約1時間半(途中猿田彦神社経由)
       庚申山荘から六厘班峠まで(約3時間)
       六厘班峠から皇海山(2144メートル)までは約3時間半の行程 
午前4時にゲートを出発だから大丈夫なんだろう、後は天候しだいで楽しい山行きを願います。今ごろの登山道はきっと白ヤシオの花柄が
敷き詰められきれいな事だろう。

途中光風の滝を過ぎた辺りで地元の釣り師の車に拾われる、先を急ぐ釣り人には珍しい事だ。
軽トラックの荷台には同年齢と思われる完全装備の釣り師が既に乗っていて情報交換、どうやらこの2人s沢出合いの本流を攻めるらしい。
s沢出合いでこの車と別れここからが本日の釣行開始。

昨年も5月後半にこの沢を攻めた、7フィート半の4番ロッドは良くしなり
大岩の影といわず洗面器のような落ち込みにも形の良い赤みを帯びた岩魚がポンポンと飛び出し岩魚釣りの醍醐味を味わった。
結局昨年は5月に1度6月に2度の釣行で納竿 この3度の釣行は満足の極み今年はこれで満足そんな感じだった。
このS沢大小混ぜての滝が無数にある、おまけに帰路不鮮明、夏の時期は薄暗く寂しい。
本日午前8時までに飛び出したお魚さんは皆かわいくて総てリリース。
いつもの場所で朝食、その後飽きる事も無く岩魚はフライに食らい付く、やはり天然の岩魚だけのことはあると独り悦に入る。
不思議な事があった、いつもは岩魚の気配も見せない大きなプールで魚のペアリングを見た、
ライズかと思い上流めがけフライを打つのだが見向きもしない数度の繰り返しでも同じ、諦め別のポイントにフライを打つと見事な岩魚が
ロッドをのし上げ喚起の声、思わず笑ってしまう。

この時期この沢に咲く花は定番のギンリョウ草(幽霊草)
               白ヤシオ(五葉ツツジ)雪笹(ユキザサ)の米粒のような白い花の群生
               沢ウツギ(ウツギの花に被われた林道は恐ろしくきれい。)

午前10時過ぎ2度目のコーヒータイム、この場所は7月ともなると車ユリの群生地、百合の穂を探しながら場所を決め
ゆっくりと過ごす、独りのこの時間がいい、沢音も鳥のさえずりも春蝉の合唱も独りのこの時間に合わせて居るかのようで心地良い。
茶をすする口元の先には紫の花を乗せたエンレイ草が風に揺れていてがむしゃらに遡行していた若い頃を思い出させる。

肩に食い込む魚篭の重さに耐えかね帰路に付く頃にはもう午後の2時も回り急いで帰り支度。
杣道には未だ赤い山ツツジの花が春を惜しむかのように山肌を染め上げていて思わず見とれてしまう。緑の上空には春ゼミの合唱。
白ヤシオの花柄が途中までジュウタンのように敷き詰められこのまま帰るのが何か残念。
車止めに付いたのは午後4時、朝一緒だった登山客の車も動いては居ない。

                           
 2004/5.20 庚申川S沢釣行


                                         
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