山釣り 渡良瀬川の支流、庚申川から 

 

          庚申川の岩魚釣りが好きだ、5月の連休明けからこの川の寝ぼけた岩魚を求めて彷徨う。

          この山に咲く花が好きだ。八潮ツツジの群落、五葉ツツジの目がさめるような景色、花満開。      

東北道佐野料金所から桐生方面50号線バイパスを進み桐生で足尾方面に入る。渡良瀬本流を右に見ながら今日はどの辺りからなんて想像するのが楽しみ。足尾にはいり銀山平に車を進め、国民宿舎かじか荘を過ぎて林道手前に駐車。

 既に登山客やら釣り人の車で満車状態,日曜日の銀山はこんな状態。めげる事は無い。庚申川の本流は銀山平下の堰堤を過ぎた辺りからゴルジュ状となり淵が連続する。 とてもこの川の初心者には手も足も出ないだろう、安心安心、心配する事は無い。本流は水量の多いときは危険すぎる、林道にはおいそれと帰ることも適わずきっと悲鳴を上げるに違いない。

 日光岩魚、サンショウ魚を呑んでいた
『本流は県界尾根の鋸山を水源として、源流部から中流部に掛けて多くの支流を集め、中流部には数キロに渡って続くゴルジュ帯を秘めている検谷である。中流部までは林道が通じているが、渓谷内は比較的自然が保たれているので銀山平から入渓すればゴルジュの真髄をたっぷり楽しむ事が出来る。』

                    白山書房、足尾山塊の沢より抜粋

 カミさんと2人での釣行、山菜はミズ、毎回決まって此処で休憩する、最後の滝をやっとの思いでよじ登るとそこから岩魚の世界。〔笹見木沢〕
 
 **庚申川の本流** 銀山堰堤から笹見木沢出合い迄 

 丸石沢出会い上流の大堰堤(かつてはこの堰堤も無く完璧なゴルジュ帯が続いた)。

丸石沢は本流右岸より林道側から流れる、途中には8メートルほどの滝が有り右岸を高巻く、狭い藪沢ながら夏でも黒い目の厳しい岩魚が飛び 出す。時折鹿の骸が散乱していたりで入渓するのはちょっと。岩魚保護の為にもこの沢は取っておきたい。

  銀山平     丸石沢出合い     大堰堤       雨降沢出合い

フライロッドを出したり閉まったり忙しない、谷間も広く水量如何では大岩魚が期待できる。堰堤は右岸が階段状に工事され勇気のある人はこの階段を攀じ登る。下から見ると高さを感じないが上り始めると怖い。堰堤下流には大渕も有りなかなか楽しい。夏などこの辺りスズメバチの巣があったりで要注意。  

 
 本流最初の大滝、鉱夫滝 約7m林道から滝を見下ろす事が出来るのは早春と紅葉も終わりの頃、以前は光風滝の名があった。足尾銅山で働いていた鉱夫がこの滝で死亡したと伝えられている。鉱夫滝は左岸を高巻く。水量の多いときはやはり本流は危険。林道は見えない。

 雨降沢    鉱夫滝    丸太の滝    眼鏡滝    滑の滝

 
 眼鏡滝 滝壷が2段、眼鏡のよう、滝の連続で曇りの日などは心細く感じるがそれが良い。短いピッチで滝が続き気の緩む隙も無い、眼鏡滝約10m 足元の岩魚にくれぐれも注意、この辺り毛鉤のメクラ打ち庚申川もこの辺り岩魚のライズを探すなんてばかげてる。フライは大きめ、水流に負けないように、よく目立つように。滝の轟音になれる頃魚篭も重く庚申川の静寂が何だか怖くなるようだ。    滑の滝(12m)   笹見木沢で合い    天狗滝        
 
 天狗滝を右岸を高巻き川原は暫く穏やか激しいゴルジュも切れたところに笹見木沢が本流右岸より合流するかつてはこの辺りにも山女が放流され数年は楽しめた。笹見木沢上部には大滝がいくつもあり梅雨時などは相当楽しめる。庚申川一番の支流、岩魚の数も多いが熟練者向き、帰路が不鮮明、ウエーダー着用では殆ど無理危険。笹見木沢中流部の滝2段 高巻は左岸約30m
 
 庚申七滝

 笹見木沢で合い   天狗滝    化け物滝   庚申七滝

 天狗滝まではゴルジュ帯が続き釣りにならないような箇所も多いが足元に注意。

 元気な岩魚が足元をかすめ驚く、濡れることも厭わずここはガンガン攻めたい。

轟音と薄暗い滝壷に気持ちが悪くなるような天狗滝を越すと暫しの瀬が続き、洗面器のようなポイントにも岩魚がいて楽しい。化け物滝の滝壷に以前鹿が沈んでいた、その時何故か早春にもかかわず丸々と太った岩魚が 、、、、

化け物滝は本流左岸を越える、降りると同時に大渕が二つ、右岸を越えるとまもなく右岸より水面沢が合流水も沢を見上げると庚申七滝、以前滝上には山女の放流が有ったようだが。

銀山平から      笹見木沢で合いまで約8時間釣行 要ザイル携帯

銀山平から林道を進み舗装道路切れる辺りが本流の雨降沢出合付近 本流に降りて沢歩き気分で最初はこの庚申川を楽しみたい。庚申川本流で岩魚を見るのは本当に難しい、流れを充分に把握して攻めたい。単独での釣行は時には寂しくて、不安にもなり薄暗い滝壷と轟音に恐怖を覚える事だろう。ワイワイと仲間でつるんでする釣りも時には良いだろう、併しこの庚申川には不向き、なにせ修行の山だったのだから。一尾一尾の岩魚の顔がこの山の気を弾いているようで、怖い。庚申川で本当に孤独を味わって欲しい。 その時はきっと確かな岩魚の手ごたえと庚申川の虜になった自分が居ることに気づくだろうから。

  「参考図書」

 足尾山塊の沢  岡田敏夫書 白山書房  渓流釣り場事典   鈴野藤夫書   新評社 

 
 5月のやしおツツジ ホトトギス
 
 ホタルブクロ     白ヤシオ   
                                   potbelly back

           

  tyuuryuubu

 

         

    庚申川の滝が好き、冷たく凍りつくような流れが好きだ。