ねこ・・不帰

桜の開花、猫の呼び声が花冷えの夜風に乗って聞こえる。
我が家の愛猫、トラは行方不明。
牡猫だからやがては出ていくものと覚悟は決めていたが、いや併しまだ2日目。ひょっこりと帰ってくるに違いないとは思うのだが。
掌に乗る子猫を拾ってから丸2年、傷だらけの縄張り争いに明け暮れ夜は休む間もなしのやくざな猫だった。
猫の甘え声に騙され家人は併し真逆の家来、猫はやはりえらい生き物なのだ。
家来は主の帰宅を、いつか何時かと気をもみながらも暫くは夜の安らぎを覚えるのである。
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最近赤猫の雄が庭を徘徊している、勿論トラが許す訳もなく当然のようにバトルが始まる。
夜更のバトルは深夜の冷気も溶け出すほどの気合のこもったもので、始まったな〜・・
家来の住人は近所迷惑などどこ吹く風ぞ・・トラよ負けるな〜。


さて暫くは小型のGPSロガーを巻きつけ軌跡の取得に励んだ、
概ねトラの行動範囲は自宅を中心に200Mほどの範囲。
入り組んだ住宅の中から猫を探すのは容易なことではなく猫の軌跡をガーミンgpsに
保存しトラックバック、ついでにトラの首にはリモコン発見器を取り付け狙ったポイントで笛を吹く。
笛と発見器は連動していてその場にトラが居たならば即座に反応・・と言う訳なのだが・・。
併しながら他人様の庭にまで入れるわけもなくただ、トラの縄張りを家来が徘徊。
バカらしくなってそれも今では止めてしまった。

気ままな猫の生活に早々付き合ってはおれぬ、何処ぞなりと出て行ってしまえばそれはそれで結構。
とかなんとか自嘲気味に思うのだがいざ、居なくなって見ると心が落ち着かない。
様々な音が猫の鳴き声、呼び声に聞こえいよいよもって煩わしい。
まったく犬なぞは繋いでおればこんな心配もほぼ無用、
犬は主人に尾を振るだけのバカと来ているものだからつい勘違いしてしまう、うちの何とかはお利口でおとなしい・・云々。
着飾った犬、室内飼いのブランド猫。気ままなトラの目には何と見えてるのだろう。
トラの体重は現在7キロほど、つまらぬ小型犬よりは重いのだ、勿論訳もなく吠える事はなし。
寝ては起き、たらふく食っては縄張りの見回りに出張るのが日課なのだ。
勿論気に入らない物には見向きもせず冷蔵庫の扉が開くまで自己主張は忘れない。

毛艶も良好、割と愛想もよい、犬には動じないから少し心配なのだが・・

どうか我が家のトラを見かけたなら伝えて欲しい、家来が心配してるよ・・・・・!。







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