石塔尾根を眺めて

今は廃道になった登山道を行く。
甘美な春の匂いにケモノ等も喜びに満ちてることだろう。
気の早い春ゼミが鳴いてもおかしくはない、谷間に届く鶯の鳴きも今は未だへたくそ。
きっと下山する頃には上手に鳴くだろうか。・・・・

私は満開のツツジに会いたくて行き交う人のない深山に在る。
赤ヤシオの花が好きでやって来たのだから、急な道に汗をかくのもいとわない。
誰に会わずとも今日の明るい太陽の下、桃色いっぱいに尾根を染めるあの赤ヤシオを眺めてひとり悦に入るのだから・・・!。
花を見上げ、尾根を眺め独りやる一杯の酒。
涼風に汗も引き亦一杯、淡紅色の花が緑の苔上に映えるのを愛で・・まったくこの深山のケモノの往来以外はなかろうに・・・。
毎年毎年変わらず誰れのために咲くのやら・・・
幾年もこの山奥で私の来るのを待っていたのかと思えば、そうだあの急なケモノ道を汗だくになりながらの逢瀬などはどうって事はない…。
亦一杯やりながらの喜びである。( 2014年5月上旬 )
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