早出川再訪
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08年9月13日〜14日
田辺、長内、渓道楽&原
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画像は念願のガンガラシバナ(たくさんの、鼻の意味、と聞いているが・・・!。)
7月の釣行とは違い今回の目的は純粋にガンガラシバナの全貌確認、テン場からの遡行時間の確認、そしてガンガラシバナ直前に 在ると言うテン場の確認。
概ね40代の今回の若者パーティーにはちょっと不具合の2名を入れて総勢6名、一ノ俣沢をゾロゾロ、ギャーギャー小雨の中を 沢沿いののび切った草の中を大汗&冷や汗をかきながらの行軍・・・実に楽しかった。

9/13日
前夜早々と一ノ俣の車止めにテントを張りsyuさんとのんびりくつろぐ、歓迎の一ノ俣オーケストラは草の中で 静々と月夜に迷曲を奏で我らを歓迎!。9時も過ぎやがて来るであろう明日の友を迎えんとアナログの二人はテントの中に轟沈。
夜半2時過ぎ2台の車の音で目覚める、挨拶をと思いシュラフを出ると原さん一行だった。
早朝6時私が先頭になり一ノ俣沢の右岸高くに付いた巻き道を朝露に濡れながらしっかりと踏み跡の付いた道を行く、直近の真新しい 踏み跡が出水で荒れた一ノ俣の瀬脇にまるで今朝早くにもついたかのように残っている。

小雨の中一ノ俣の源流を辿りヤシロウ尾根の460m鞍部までの泥壁を余裕を持って上りきった。
泥壁は乾いた状態、おまけに今回はピンソールを装着楽々登れた。 取り付きの両岸にびっしりと生えたウワバミ草(ミズ)も既に秋の色、透明な緑色に葉もしな垂れ季節を感じさせる。

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鞍部からの下降、濡れた落ち葉に足をすくわれない様に皆それぞれ距離を保っての行進、虚空蔵日の山容もガスに気振り 7月ほどの感動も薄い、併し下降するアカバ沢のナメ滝の何と言う綺麗なことか、水を吸った岩盤は青く怪しく輝き 早出本流に流れ落ちて行く。 恐ろしく減水した早出川の本流、
両岸スラブのこの峪には安定した水量を保証する落ち葉の層がない、降り出した雨は一気に峪に集まり 濁流となり奔り下る、奔流となった早出は恐ろしい形相となり岩を磨き何人も寄せ付けない。
雨の少ない時季、殆ど貯め水と化した早出川、7月と然程変わらぬ水の温さにおかしな程に安堵した。

右岸高台のテン場に到着、急ぎタープを張り尾根越えの疲れも厭わず釣りに行く渓道楽の3人、タープを打つ雨音に聞き入りながら 呑みだす2人、新調した6番ロッド、久々のマーキス#5をフィーラーにセット、黒部以来の興奮だがさて今日はどうだろう、 水辺には渓道楽3人組の足跡が深々と砂に残り、魚心を感じさせるような雰囲気ではなく、ただ広い早出川の緑色のプールにラインを送り込む。
流れのエゴに毛鉤を打ち込む、小さな洗面器のようなポイントを見逃さないように、泡が吸い込まれる岩の窪みに毛鉤を送り込む、
あ〜・・・何をやってもこの温い水温が仇になっている様だ、ダメだな〜・・・・・
小雨模様と言っても未だ陽の高い時間、岩魚の反応を期待するほうが間違い、6番ロッドから遠慮なく繰り出されるラインの重みのその先に 一尾の岩魚で良い、何事かと振り返ってさえくれたらそれで良いのに・・・!。
三人と合流、様子を聞くと憔悴した顔でダメ〜〜、何だここの川はよ〜〜
ほんとに釣れない釣りは疲れる、テン場に戻る3人を見送り一時この先誰も居ない今早出の流れを楽しむ、 陽に眩しいほどの白い落ち込み、透明な水は瀬の各種の石を鮮やかに輝かせやがて薄い萌黄色に変わり溜りの深場では 翡翠をかざした様なグラデーション。
やはり何の反応もなくテン場に引き返す、テン場ではsyuさんお手製のチタケうどんに皆が喜び降り出した雨に負けじと大騒ぎ。

チタケうどん
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夕闇が迫る頃湿った薪もようやく燃え出し夕まずめ狙いのsyuさんが2尾の岩魚を抱え戻ってきた、辺りが暗くなり ヘッドランプの灯りで各自手料理、原さんこだわりの岩魚鍋は尾根越えで疲れきった身には嬉しかった、 併し皆本当にまめだ、一人遊びの私にとって驚きの時間、一人なら大概焚き火の前で乾き物のつまみで飲んでそれでお終い。
大勢で遊ぶとはかくも面白いもんだとほんとに実感した2度の釣行である。

呑んで騒いで、魑魅魍魎が遊ぶ早出のテン場
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焚き火を肴に原さん独り草枕、ヘッドランプの光が川面から上がってくる靄に吸い込まれ拡散して のんベーとは何時いかなる場所でもこう有りたいと物語っていてホンと面白かった。

9/14(快晴・・ガンガラシバナまで)
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快晴、雲一つなく風もなく、穏やかな緑色のプールに岩魚が奔る、大きな魚影小さな群れ、 磨かれた大岩を乗り越え穴を潜り濡れたくないとのその思いで壁をヘツリなんとかsyuさんの後を追いかける。
それにしてもなんて綺麗な場所だろうか、7月末まではスノーブリッジが先を塞ぎ 寄せ手を阻んでいたとか・・・
高い空に両岸のスラブ、右岸の暗い岩肌に鈍い白金の筋 が 川面に向って落ちて来る、雨でも降ったらその筋は 全てが滝、スラブのわずかの窪みが全て水路になって今早出から早出に意思を持って貫いていく。

1時間ほど歩いたのか、いきなり両岸が狭まり20mほどのゴルジュ、深い箱状の溜りを泳ぐように浸かり走破、 ゴルジュを過ぎると川幅も狭まりゴーロ状に流れも変わり右岸から枝沢が一本合わさりその後不思議な穴を持つ横滝が 広く穏やかな淵に落ち込み岩魚を遊ばせていた、岩魚の白い斑紋が鮮やかに見える。
のんびりとまるで日向ぼっこでもしているかの様な岩魚につい遡行も忘れ見とれてしまう。
横滝を右岸から高巻き暫らく行くとまた右岸から1本の枝沢が合流、その後本流は両岸から樹木に覆われいかにも平凡な 里川のような感じになりここが今早出の源流部なのかと不思議な感じさえ受けた。

不思議な穴を持つ横滝
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両岸が狭まりやがて水流も細く浅くなりガンガラシバナへと消えて行く、高い天井に烏帽子のように三角の帽子を乗せ その上空は紺碧の青空、雲一つない、源流のその窪に引き込まれる様に導かれ登って行く。
わずかに生えた草むらにはフジバカマ、山アジサイ等の花が遠慮がちにその景観を褒め称えかしづくように咲いていた。 驚きの景観、滝らしく水が落ちていたならと思いつつもここまで来れた事の喜びが大きくて見とれるだけだった。
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テン場からガンガラシバナの大滝までは正味3時間、減水気味で歩きやすい事もあったが概ね健脚の人なら 2時間半で来れるだろう、余りの暑さに大滝下流の日陰で朝飯のカップ麺、コーヒー・・・・
誰も居ない二人だけのガンガラシバナに向い大声で吼えまくっては大笑い、今日の日をsyuさんにほんと感謝、感謝!。

午前9時・・あっちゃん登場
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岩陰に腰を掛け良かった良かった、今日はほんとに良い日だよと騒いでいると黒い影、韋駄天あっちゃんの登場・・・・・・・・・
早朝暗いうちに一ノ俣を遡行、テン場には7時着、そして走るようにガンガラシバナの大滝まで、とんでもない健脚である、 ここまで2時間、ただただ驚きのあっちゃんに脱帽・・・。

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岩魚を見ずには居られないあっちゃんと左俣の魚留の沢に行く、止め水のプールで一尾の岩魚を釣り上げ歓喜するあっちゃん、
今回もまたあっちゃんの釣り上げた岩魚をカメラに収めることになった、併し何ともこの早出での釣りは少し・・・・・・・
出来ることなら日を改めのんびりと独りで来たい、その時まで私の竿に岩魚が乗ることはあるまい。
帰りはまるで走るかのようなスピードで 短い足の私には大変だった、途中原さん渓道楽の面々と出会う、岩魚釣には恵まれなかったけれど 何ともこの好天気、この場での別れの挨拶、もう一晩彼の連中とガンガラシバナの話で盛り上がりたかった 、と思うのは私だけだろうか。
それにしてもsyuさんの足の速いこと速い事、川原を舗装道路と勘違いしているのでは・・・・・・!。

テン場着は午後1時、荷物をまとめ小腹を満たし行きがけになってあっちゃんから茸の報が届く、トイレとばっかり思っていたら 7月に瀬畑翁が言っていたシシタケがやはりその場にごっそりと生えていて嬉しい雄たけびを上げて大騒ぎ・・。
3人で全て土産にいただき、濡れたザックに仕舞い込む、わずかに増えた山の恵み、嬉しい重さにやはり悲鳴を上げる。
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一ノ俣沢までの鞍部越え、肩に食い込む思いザック、ぬれて足もだるく急坂のアカバ沢の登りは本当に応える、これさえなければ この急坂さえなければ・・・ア〜恨めしい・・・。
元気印の二人に置いてけぼりを食わぬように併し合わせることも出来ずやはり自分のペースを守るしかなく辛い帰路だった。
併し終わって数日すれば又不思議なほどにこの辛さが懐かしいのも事実で又どこぞの渓や山に行きたくもなる、切りがない。
山渓に取り付かれた者ども、まるで求道者の如くさ迷い歩く・・・・・。
何とか明るいうちに下山、やれやれ安堵、この2日syuさん原さん及び渓道楽の方々そしてあっちゃん楽しい時間をありがとう 帰宅は10時半過ぎ、関東は雨だった。
経費
  12日、上河内→津川料金所・4500円、
  14日、津川→坂下料金所・550円
 走行距離、小山→小山間、正味560k リッター中りの遡行距離、平均12.6キロ、燃料消費は44.444リットル
 無鉛ガソリン1リットル158円×44=6952+(4500+550)=12002 ÷2=6001

数日たち今早出から拾ってきた青色の丸い石をグラスに沈め飲む泡盛は早出の流れのように温くて美味かった。


  pot belly

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