舟石新道を探して
思い込みだけの道探し・・植林事業の為の作業道路跡を追っただけだった・・。

丸石橋から丸石沢左俣08_funaisi_1.jpg(152494 byte)

08/3-23(日曜日) 今年初めての野遊びはかねてから気にはなっていたが歩いたことの無い舟石新道と決めた。
舟石新道とは足尾本山、備前楯山登山口の舟石峠〜庚申山までのびた登山道の事だが今はその道も埋もれてしまい
知る人ぞ知る幻の登山道のことである。(*思い過ごしかも**)

舟石新道を探りに当たってとりあえず区間を三つに区切ってみた。

(1)舟石峠〜丸石沢源流部横断地点まで
(2)丸石沢横断点から笹見木沢源流部横断地点まで
(3)庚申山南東尾根から庚申山まで(庚申林道左岸尾根)
 

今回は(2)の丸石沢から探ってみた、
天気も良いことだしおまけに下草も生えていない早春の山、 コンビニで弁当を買い込み気軽に出かけた、勿論足元は充分に記を使ったが!。
丸石沢は足尾で初めて岩魚と出会った場所で(勿論その時は岩魚なんて渓魚は知らなかった)
丸石沢堰堤上部で焚き火をしベーコンをあぶり秋の夕方一人焚き火を楽しんでいた時のことだ、突然広くも無い 小さな流れ出しでいきなりバシャ・・バシャその時ほんとに何があったのかビックリしてしまい傍に 有った大き目の石を思いっきり投げつけた。
するとどうだろう、真っ赤な目をして鋭い歯の大きめの魚が浮いていたではないか。
勿論最初の戸惑いなんて何のそので焚き火であぶり美味しくいただいてしまったが、その時が岩魚との最初の出会いだった。

銀山平の駐車場に車を止め庚申林道を歩く、最初に出合う沢が丸石沢、丸石橋から沢を見ると沢は二俣に分流、今回は橋を渡って左俣から舟石新道に 入る。
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勿論舟石新道などとの指標など無い、ただ橋を渡り少し歩いた右側の側溝のある流れ出し正面岸壁には赤ペンキで歩道あり のマークが付いてはいるけれど。
マークに従い小尾根に登ると左俣の橋から50メートルほどの地点に架かる2段滝上部に出た、歩道はその上の小滝を巻くように 杉の植林帯に延びていて昼でも暗く少し薄気味悪いようだ。
やがて左俣がゴーロに変わるといきなり道も途切れ立ち往生、 ここで沢は再び分流)右岸の切り立った岸壁を見上げるとなんだか水平に道のように延びて いるような感じがし沢を渡る、落ち葉に埋りまっすぐに延びているのだが・・・・細い〜。
道幅わずか30センチほどしかも左足の下は20m近くも落ち込んでいて細い流れが白く光っていて 落ち葉を掻き分け掻き分け進む。
やがて赤ペンキの案内も終わり道はいよいよ心細く獣道が交差しどれがどれだかワガンナーイ。
杉の植林帯が復活し低くなった沢沿いに進む、どうやら道らしい。左岸の雑木林は雪に覆われ道も片面が凍り 時折飛び立つ山鳥に脅かされながらも快適に距離を稼ぐ。

滑滝の続く細い左俣の源流もゴーロに変わり土砂の堆積した天然の堰堤さへ見え出して沢の終点もまじかなのが分かる。 この時判らなかったが土砂の堰堤下部に左岸尾根に登る道が付いていた、帰りはどう言う訳か右岸尾根の 舟石新道を歩くことが出来た。
左股を詰め上げリボンを巻き道を探すのだが分からない、道らしきものは無い獣道だけ、仕方なく進路を左に取り 時折目印のリボンを巻き鞍部を下る、南面に切れ込むように谷は深く右側にしっかり付いた鹿道を追っていくと何故か 鹿道の下に(15メートルほど下)いきなり道が現れ嬉しくてその場にしゃがみこんでしまった。
雪に埋まった舟石新道
雪に埋まった涸れ沢を渡り落ち葉に埋まって見分けの付かない道が前方の鞍部に続いているのだが何とも・・・・

笹見木沢の深い谷間が見える頃、踏み跡こそ無いものの獣道とは明らかに違う一本の筋が山肌を縫うように 笹見木沢右岸の1200メーター付近を庚申山方向に伸びている。
途中三本の枝沢を渉り唐松林の高台に出た、左下に見える笹見木沢右岸は大量の雪に埋まり解禁したとは言えとても 釣りが出来るような状態ではなく足跡を残すのはきっと私が今季初だろう。
笹見木源流部
唐松林の中、薄く伸びた道を笹見木沢本流に駆ける様に下りていくとどうも様子が違う、 通いなれたはずの笹見木源流部とは明らかに違い戸惑ってしまった。
良く良く考えてみたら笹見木源流部最奥の枝沢に本流とばかり思い下り立ったのだが舟石新道は目前の小尾根に 廻り込むように延びてるのが微かに見えた。
斜面は笹と雪に覆われ土の出た所は凍り鞍部までわずかな距離なのだがほんとに怖い思いをした。 潅木の茂る鞍部からははっきりと笹見木沢源流部の流れが見え明るく風も無い落ち葉の斜面を今度こそ見覚えのある 流れに向って下りて行った。

不思議な水源

落ち葉を蹴散らし下り立った場所はかつて何度も来た事のある笹見木沢源流の不思議な水源地、 左岸、4メートルほど高台の木の根元から噴出する不思議な水源、倅と遊んだ頃が懐かしい。

1996_5月

この年倅とカミさんを連れ立って連休過ぎの笹見木沢を遡行、釣竿を持たず本格的な沢の遡行に上気する 倅を気にしながら水源まで滝を眺め楽しい一日を過ごした。
谷間のツツジも満開、尾根には東石楠花が目を楽しませ5月の冷たい沢水に怯む事も無く目を輝かせた倅も 今は傍を離れどうしている事やら・・・・・・・。


舟石新道(廃道)略図

笹見木沢はこれより伏流して水もなくただのゴーロに変わり舟石新道は対岸の尾根に延び庚申山荘まで・・・・
対岸の尾根は雪に覆われ庚申林道まで下りるのは面倒なので来た道を(廃道)戻ることにした。
帰路は何とも楽なもので来た時には気付かなかった炭焼の跡やこの登山道で休憩したであろうその痕跡が見られ 楽しかった、丸石沢上流部から延びる船石峠への岐点は分からなかったが次回は丸石沢を遡行して横断路を探そうと思う。

舟石新道(廃道)・・・・・その1、終わり

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