7/21-22(月曜日〜火曜日、快晴) 20夜鹿沼の麺坊に集合、既にメンバー数人が集まっていてカウンター席は賑やかにしていた。 今回のメインゲストの瀬畑翁も既に見えていて黒ヤス丼と談笑・・・・ ひとしきり紹介を受け話の輪に加わる。 メンバーは 瀬畑翁、中尾氏、田辺氏、あっちゃん、おぎんちゃん、隊長、鹿野氏、そして私の8人、 そのほか4人程の渓仲間が集まり総勢12人の早出川テン場での大宴会を企画、企画の主は誰なのか知らないけれど おかしくゲラゲラの2日間に違いない。 連絡の取れない4人が現地に先行していることだろうと話がまとまり車2台に分乗、一ノ俣を目指す。 会津方面は初めてだと車中で話すと驚かれたが我ながらほんとに出不精なのにはあきれる、21日午前4時一ノ俣到着。 林道脇には車が3台、所沢ナンバーが恐らく仲間だろうという事で準備を整え太郎山(1057.4m)と大戸沢山の中間を流れる 一ノ俣沢を右岸左岸と渡渉し鞍部に出る(標高860mくらいか?)。
先頭は常にあっちゃんがリード、私はただあっちゃんの後をついていくだけ、ブナの巨木に刻まれた鉈目に この森に分け入った先人達の感慨が熱く伝わる・・・・・・ 雪椿の枝につかまりながら懸崖をなめる様に進むと目の前には昨年の遡行で張り付いたマッキーの蝉滝が 音も静かに落下していて思い出すように笑うsyuさんの横顔が可笑しかった。 それにしてもその場に居たらと・・・つい想像してしまう、一ノ俣の流れも細く狭くなり最後の難所を目の前に 暫しの休憩。
瀬畑翁が笑顔いっぱいに山菜の話を始める、ミズやアザミの美味しさ、その見分け方料理の仕方など 米と味噌さえあれば山にはいっぱい美味しいものが有るんだよ・・・・・・・
急坂の泥壁を先を争うかの様に仲間は消えて行った、 フェイルト底に装着したピンソールが目の前に立ち塞がる急坂の泥壁をものともせず グリップし鞍部まで安全に誘ってくれる・・・・・シカ〜シ・・・・ 私の足元はネジをピンに見立て靴底に合わせただけの お手製のピンもどきサンダル、登板中何度も紐を結び直して漸くトラロープまで辿り付く始末、 何とか鞍部まで泥壁に張り付くようにして這い上がったものの仲間達の口元はほころび涼しいはずの尾根風も 余計熱くナンともハヤ・・・・・ おそらく下から見上げたら泥壁に張り付いたガマガエるとそんなに変わらなかったかも知れ無い、ガハハハ!。
尾根から早出のテン場まで中尾さん荻野親子と4人で降下、ピンソールを着けた3人は足元も軽く快適に下りて行くが 私は3回も滑って転んだ、3回目にはなんとオレンジ色の茸のカサが見え痛みも忘れてキノコを摘み取った。 この時ばかりは大声で「ちたけ・・めっけタ〜」 チタケを目にして俄然キノコ狂祖も狂いだし俄かのキノコ探索だったが、ダメだ〜無いよ・・・・・ キノコを諦め急坂を下って行くとテン場に居る筈とばかり思っていた渓仲間数人が上がってきた、 今夜同席できるものと期待していたのに、狭い足元で挨拶を交わし別れるのはいかにも残念。
小屋場沢右岸をしばらく下ると綺麗な滑床に出る、左岸に上がるとテン場が有った、テン場から早出の本流に入り 本流右岸を暫らく行くと今夜の我らの宿が台地の上に綺麗に下草も刈込まれ佇んでいる。 小屋場沢で出会った渓仲間が張って置いたのだろうブルーシートの天幕が暑い日差しを遮り心地好い影を作っていた。 中尾さんは釣り支度、一緒に行かないかと誘われたが疲れもあり少し休みたいからと辞退、ソクソクと出かけてしまったが このピーカンの下で釣りになるのだろうか・・・・・!。
8人が雨を気にせず又焚き火を見ながら休めるようにと瀬畑翁の提案でタープを片流れに張替える、手際よく 指示を出しながらも瀬畑翁自身が動き回る様は長年独り渓に親しんだ知恵の賜物なのだろう。 タープを張り終え各自の目的に沿った行動に移る、syuさんはお目当てのガンガラシバナまで、荻野親子は眼前の本流で 親子の戯れ、私は瀬畑翁の案内であっちゃん、鹿野さんと四人で下流広倉沢出合いまで行くことにした。
早出川本流の水は温くそれにしても午前中の一ノ俣越えとはえらい違いだ、肌を焼くお天道様が憎い。 二重滝、アカッパ沢、風立沢、坊主ベツリ、ヤシロウ渕と右岸左岸と渉り割り岩沢出合い、 コスゲノ淵を泳ぎ広倉沢に着いたのは3時過ぎ・・・・・ 元気なのはあっちゃんと瀬畑翁、坊主ベツリ、コスゲノ淵とその他の深渕も平気で泳いで行く。 早出の 遡行は泳げるものなら泳いだ方が楽だ、この時期なら水温も高くチジミこむ事も無いしアブもいない。 初めて足も着かない恐ろしげな淵を泳いだ、それも7回も、一人だったら絶対にしないだろう、嬉々として飛び込む瀬畑翁の 姿がまぶしかった・・・・・!。
早出の流れは何故か黄緑色に染まり慣れ親しんだ足尾の流れとは全く違う、澄んではいるが水色に馴染めない、 それでも喉の渇きには勝てなくて何度も飲んだ早出の水、温くてとても美味しいとは言えないが・・・。 瀬畑翁に訊ねるとタンニンが川面を染めているのだそうだ、どうりで深い淵など茶のように黒さが際立って ナンとも馴染めない様相だった。 広倉沢に鹿野さん、あっちゃんが入渓。オヒロ渕までの釣行を進める瀬畑翁、岩魚を確認しながら毛鉤を打ち込むようにとの進言、 本流との出合いこそ狭い広倉沢だが上流部はどうなっているのか。
翁の釣り姿を拝見、長竿に凡そ6〜7メートルのテーパーライン、 フロロカーボン製一号の道糸、 広倉沢出合い、早出川本流の早瀬、深渕に佐々木巌流の如く翁は自在に長竿を操り毛鉤を撃ち込む、 一点を見つめ緑色の水流に溶け込む菅笠姿の瀬畑翁の足元を一匹の山カガシが鎌首をもたげ水面を滑渡る、 孤高の釣り人・・・・・
広倉沢から戻った二人と合流、少しの間だが私もフライロッドを繰り出す。 7.5フィート#4のラインに毛鉤は14番ロングリーダーといつものスタイルだがまったくあたり無し、 #5〜6番クラスのタックルを持参するべきだった。 今回持参のタックルでは早出には通用しない。 西日に照らされた早出の瀬際に 翁の繰り出すラインが音を立て梢の葉を散らす、ビシッ、ビシッ・・・・・・。 邪魔にならぬように背後で見つめる3人とは裏腹に翁の意思が弧をかいて伸びていく。 数度の泳ぎでずぶ濡れになりテン場に戻ったのは5時過ぎ、既に上流組みも戻り食事の準備中だった。 syuさんはスノーブリッジに拒まれガンガラシバナをわずかな距離で諦めたとの事、わざわざ危険を冒してまで行くこともないと思い 雪渓の脇で昼寝をむさぼったという、岩魚もバシバシ釣れたし・・・ えかったよ〜・・・・・ んで・・・その岩魚はどうしたの! 中尾さんと刺身で食っちまったよ・・・・・・・あれ〜〜ずるいんでね〜〜のよ・・・!。 中尾さんの用意した特性のパスタに舌鼓を打ちあっちゃんの運んだビールとドブロクに酔いしれ 濡れた下着を焚き火で乾燥、 疲れきった皆は9時も過ぎると寝息を立て動く者は私一人になった。 虚空蔵鼻の膝元に寝息が響き天井は星で埋め尽くされ明るい夜だった、夜半にタープを打つ雨音で目が覚める。
7/22(火曜日)ピーカン 空が薄明るくなる頃には皆が起き出した、昨夜の雨のことやら銘々騒ぎ出す・・・・・・ 朝食の準備にキジ射ちと忙しない、ザックの整理にテン場の後かたずけと記念の集合写真・・・・・・ 昨日の朝とは違い既に快晴、青い空が帰りの尾根を覆っているとは見上げるだけでも汗が落ちてきそうだ、 8時過ぎ撤収。ワイワイ・・・ガヤガヤ・・・ワイワイ・・・・・ガヤガヤ・・・・・
滑りながら登った泥壁を今日は逆に滑りながら転落するように下りて行く、一ノ俣の源流、細流の傍らに下り立ち 皆の到着を待つ、待つ間に太目のミズ(ウワバミ草)を鋏で根元からチョキチョキ・・・・・・・・・ 何をしていても楽しい、久々に腹の底から楽しいと感じた、皆が揃い30分ほどの休憩をその狭い水辺で過ごす。
さ〜イクゾ〜 ・・・・・ワイワイ・・・・ガヤガヤ・・・ジャボ、ジャボ
ミズを摘み谷地アザミを摘み土産でザックを満杯にした八人の男が深い藪の中を蠕動し山肌を縫う様に下って行く。 ・・・・・ワイワイ・・・ガヤガヤ・・・ワイワイ・・・・・ガヤガヤ・・・・・イテ〜〜・・アジ〜〜イ・・ 〜〜〜〜〜オ〜〜〜イ・・・・・ン〜〜〜・・・オ〜〜〜〜イ・・・・ 車止め到着は13:30分、皆さん・・・オツカレ〜〜〜様でした・・・!。
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